さ行

シティーハンター

制作年度:1993年
監督:バリー・ウォン

『DRAGONBALL EVOLUTION』では原作を頭の中の箱にしまって別物という目で落ち着いて鑑賞することができた私。
きっと映画鑑賞に対して成長したのかもしれないなと過去に怒り狂って涙まで滲んだ某漫画の実写化を思い出しました。
それがこのジャッキー主演の「シティーハンター」です。
キャラの崩壊、設定改竄は半端じゃありません。

・私立探偵になっちゃった冴羽遼
・銃は下手くそ弾切れ起してカンフーで戦う冴羽遼
・プリプリセクシーボディーで男はイチコロの槙村香

どこをどうツッコんだらいいのだろうか…
この作品、国民的美少女時代の後藤久美子ちゃんも出演してます。
見事なアクションシーンを披露してくれますが、彼女の設定はいいとこのご令嬢のはず。
すごいや、昨今のご令嬢は。

ジャッキーですからカンフーアクションは素晴らしいです。ええ。
しかしこの作品に「スナイパー冴羽遼」はいません。
あろうことか、ストリートファイターのコスプレで戦ったりします。
春麗ジャッキーとかもうね…
だって「やったぁ♪」とぴょんっと飛び跳ねて喜ぶ勝利した春麗ポーズまで忠実に再現してくれたりします。ええ、春麗ジャッキーがね。
こんな所を忠実に再現するくらいなら他に大事なものがある筈だよぉ(涙)
あ、とりあえず香の巨大ハンマーは忠実に再現されてました。
…そこだけ忠実でも嬉しくない。

ドラゴンボールVSシティーハンター実写化で酷いのはどちらかと言われたら迷わず「シティーハンター」と答えます。
ようするに何が言いたいかというと、
「マンガの実写化はどこまで寛容になれるかで鑑賞後の怒りが軽減される」
なわけです。
この作品、近所のレンタル店では見かけませんので改めて見てみると違った感想が己に生まれるのかどうか試せない。

今見たら少しはネタとして楽しめるのかな?

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ザ・ムーン

制作年度:2007年
監督:デヴィッド・シントン

「アポロ11号?知ってるよ。月に初めて行ったロケットでしょ。」
「月面降りた時ってさ、右足だっけ?左足だっけ?」
こんな会話を友達としたことがあります。
この程度の知識しかありませんでした。
そのくせ、知っているつもりになっていたのです。恥ずかしい…

アポロ11号が月に行った時は私はまだ生まれていません。
両親は出会ってさえいない時期。文字通り影も形もこの世にない頃です。
それでも、あの月に降り立った映像は子供の頃からTVで何度も目にしました。
ふわふわと弾みながら歩く宇宙飛行士と綺麗な円形のクレーター。
あの人、このままぽーんって空飛んでっちゃったりしなかったのかな?
ドキドキわくわくしながら見入ったものでした。
けれど、凄いなぁと感動はしても深くは知りませんでした。
その裏でとてつもない努力と犠牲があったことをこの映画で初めて知りました。
彼らは今までに失敗して爆発した機体を目の前にして怖くはなかったんだろうか?
映画を見ながらこんなことを思ったりもしました。
(私なんか飛行機が大の苦手で、たかが国内線の数十分のフライトでげっそりと疲れ果ててしまうので。爆発した飛行機なんか見せられたら絶対乗れないだろうなぁ)

でも、インタビューに応える彼らの言葉には怖さを乗り越えた先にある子供のような未知の世界への冒険心と好奇心。
そして多くの人々の願いを代わって成し遂げようとする誇りに満ち溢れていました。
どこの国にも月を題材にした物語が必ずある。
人々にとって漆黒の闇を美しく照らす月は憧れと神秘の姿。
その月に行く。月の大地に足をおろしてその手に触れたい。
その人類の夢が叶えられていく軌跡を画面を通して疑似体験できたのです。

ロケットの発射された時の大轟音に手を握りしめ、第一機体が無事切り離された時に安堵のため息をつき、そして月の姿が画面に現れた時
「ああ…月だ。来たんだ、ついに。」
とまるで自分が月に来たかのように感動しました。
一つのミスも許されない緊張感の中、成し遂げた第一歩。
大偉業を成したクルーたちの言葉はとても重みがありました。

「月から地球に向かって親指を立てたんだ。その親指の中にすっぽりと隠れてしまうくらい宇宙にとって地球も我々もちっぽけな存在なんだ。地球がもろく見えたよ。」
「エデンの園地球に生まれたことはとてつもない大幸運さ」
「宇宙に浮かぶ宝石のような地球を守っていかなきゃって思うね」

ドキュメンタリーや宇宙が好きな方にはお勧めだと思います。
少しでも興味がある方、是非見て宇宙の神秘と大偉業を成し遂げる疑似体験に浸ってみてください。
あ~見てよかった。 見れてよかったです。
ちよっと今、興奮気味。

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幸せの1ページ

制作年度:2008年
監督:マーク・レヴィン

あまり評価高くないようですが、私には合っていたらしくとても楽しめました。
邦題で恋愛映画だと思っていたのですが、トリプルアドベンチャー物でした。

海洋学者である父と娘の二人だけの楽園島。
ある日父は研究のサンプルを採りに娘を残し小型船で大海原へ2日間の船旅へ。
娘は大好きな冒険小説と島の動物たちと父の帰りを待つ。
そこへ突如襲う嵐。
愛する娘の許へ帰るため大海原で島を目指して、あらゆる知恵を振り絞り諦めない父の愛の冒険。
心細さに挫けそうになりながらも、ふたりの楽園へ土足で上がり込み好き勝手にふるまう観光客たちから島を守ろうとする娘の勇敢な冒険。
ひとりぽっちで島に残された娘から受け取ったSOS。小説の中でしか冒険出来ない外出恐怖症で潔癖症なのに少女を助けようと家から一歩を踏み出し閉じこもった心を解放する作家の冒険。

テンポが良くて、程よく笑いがある。
見ながらクスクス笑ったり、ハラハラしたりと楽しい時間を過ごすことが出来ました。
大規模なアドベンチャーではないですが、人は人生そのものが冒険みたいなものだと思って見れば、なかなか良い作品なんじゃないかななんて思います。

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スカイ・クロラ The Sky Crawlers

制作年度:
監督:押井守

この作品、私は全く期待していませんでした。
頭の片隅に『立食師列伝』があったからです。
あれは忍耐心と拘束時間の苦痛と睡魔のトリプル難に苦しんだ作品でした。
未だ嘗てこれを超える駄作と感じる作品はお目にかかってない。
私の中で歴代ワースト1。
それでも『スカイクロラ』を見てみようと思ったのは世界観に興味を持ったからです。
情報誌やヤフーの作品解説での「永遠に歳を取らない子供」「ショーとしての戦争」等の
キーワードが心に残っていた。
どうしよう。行こうかなぁ でも押井監督の作品って私に合わないみたいだしなぁ
悩んだ末、丁度映画館のポイントもたまっていることだし駄作でも無料なら損な気分にはならないだろうと足を運びました。
原作も知らない。上記キーワードのみという初心者状態での鑑賞。
目に飛び込んできた空中戦の迫力は素晴らしかったです。
こちらまで緊張しそうな程のリアルなパイロットの息遣い、迫る敵機の恐怖。
しかし、登場人物の背景がイマイチ解り辛かったのと淡々とした展開に睡魔が・・・
結局最後まで見れずに寝てしまった私。
こうなると一気に興味が無くなり再チャレンジはしないのですが、この作品に限ってはどうしても全部見たいとの欲求が抑えられなかった。
戦闘シーンの迫力はそれほどまでに私を惹きつけたのです。
後日パンフレットを購入し熟読してから再度劇場に足を運びました。

するとどうでしょう。世界観をある程度把握していたおかげか作品に散りばめられた数々のキーワードがラストに向かって収束していく様はぞくぞくとした。
多くを語らないカンナミが発するセリフの中に背筋がゾッとするほど衝撃を受けるものもある。
死への恐怖を感じられない、生きることに意味を見出せない
何も持たない子供。何も感じない子供
「死にたくない」
当たり前にある心はそれを形成している環境があるから。
彼らにはそれがない。それを必要とされない。
明日が見えない。自分が明日生きることに何の価値も感じられなければ日々は惰性で過ぎていく。
嘗て自分の産まれた意味を見出せず、自分の人生を自分のために生きられないと絶望し幕を下ろしてしまおうとした経験のある私にはキルドレの存在は悲しさと嫌悪と憐れみの交じり合った自分を映す鏡のような存在にも感じた。
第一回目の鑑賞で難解だと感じていた背景も実は作中に分かりやすく提示されていた。
今更ながら自分の理解力の低さが恥ずかしくなってしまいました。

映画を見慣れている人、ある程度の理解力がある人ならば原作を知らずとも今作品の世界観にどっぷりと浸かり充分に楽しめる作品ではないかと思います。

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趣味の問題

制作年度:/2000年
監督:ベルナール・ラップ

同じ価値観を持つ人間との会話は盛り上がる。
楽しいし、いつまでも一緒にいたいと思ったりもする。
しかし、あくまで他人であり其々の異なる部分を持つ独立した人格だ。
この作品はその境界線を越えてしまった2人の男の破滅への物語。
いえ、彼らにとってはある意味『昇華』なのかもしれないけれど・・・

金も権力も全て手に入れた男がいる。
彼はその全てに興味を無くし、唯一欲しかったのは同じ価値観を共有した自身の理解者であり分身。
あるレストランでバイトをしていたウェイターに味見をさせた美食家でもある彼は、
そのウェイターの完璧な味覚に惚れ込んだ。美食家である自分と同じ程の食への感性を持った彼。
彼を雇い入れた男は味覚のみならず、自分の持ちえる全ての趣味、価値観を彼に叩き込み調教していく。
高い報酬に軽い気持ちで『味見役』となった彼は男のエスカレートしていく調教に時に怖れ、驚愕し、時に心酔し尊敬もする。
そうして、やがて彼の施す教育に自身の人格を侵食されていく。
彼は男であり、男は彼である。
調教していた筈の男も彼に溺れ、彼を手放せなくなっていく。
男の狂気に怯えながらも惹きつけられて離れられない彼
いつしか、趣味のみならず痛みも苦しみも全て共有したくなるほどにお互いの存在へのめりこんで行く。
血を流す自分を鏡に映すようにそこに同じように血を流させる。
お前は私自身であり、お前の存在は私自身への愛。自分が自分を裏切るわけはない。
お前は私だ。私自身だからこそ手元に置いた。何故裏切る?!
あなたは僕を代わりなどない人間だと言った。僕を必要としていたのではないのか?
僕は僕ではないのか?あなたの目に僕は僕として映っているのか?
狂っていくのも2人一緒。
危険だ 危険だ 危険だ
心に警告が響くが、逃れられない。
それを壊すことは自分を壊すこと
だって男は(彼は)自分だから・・・
友情でもなく、主従でもなく、ましてや恋愛でもない。
あるとすれば究極の自己愛といったところだろうか?


過去の時間軸と現在の時間軸が交互に表現され、ふたりの周囲の人間達が語る彼らの軌跡。
時間軸のザッピングが苦手な私ですが、この作品は全く戸惑いを感じませんでした。
話は淡々と進むのですが、作品全体から漂ってくる緊迫感となんともいえない冷たい空気。
終わった瞬間は
「あ、終わったんだ」
と見ているこちらも少々放心状態。
全く飽きずに最後までのめりこんで見れました。
しかし後味はすこぶる悪いので暗い気持ちになりたくない人にはあまりお勧め出来ませんがι

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ストレンヂア -無皇刃譚-

制作年度:/2007年
監督:安藤真裕

これほどに観ていてパワーを感じるアニメ作品は久しぶりです。
アニメがアニメとしての土俵で最大限の力を発揮している作品でした。

昨今のバリバリのCGをたっぷり使った作品もその絵の美しさ、本物のように見える技術の高さへの感嘆もあります。
しかし、私はそこに違和感を感じてしまうこともあるのです。
アニメだけど実写のように見える背景がある。
実写にしては動きに矛盾がある。
観ながら心のどこかに生まれたこういった違和感が雑念となってしまいストーリーに入り込めずにエンディングを迎えてしまうことが多々あるのです。

しかし、この作品はCGは控えめに使い、手描きの絵を用いて
『アニメはアニメ』
という土俵で勝負している。
観ているこちらもアニメなのだという認識を持ったまま観る。
そうするとスクリーンいっぱいに動き回る登場人物、翻る衣、切り裂く刃、崩れる建物、燃え上がる炎
これらにCGが紛れこんでいても適度な美しさを与えるのみで違和感を感じることなくストーリーに没頭出来たのです。

ストーリーは至ってシンプル。ぶっちゃけて言えば、使い古された展開の使い古されたオチと言ってもいいです。
でも、その懐かしささえ感じるシンプルなストーリー展開も活き活きとした動画で視覚の楽しさ、痛快さを感じる。
シンプルながらも各キャラクターの個性をちゃんと練りこんであり、端役にもしっかりとした役割を与えてある完璧なキャラ立ちで適度に感情移入も出来る。
捻った展開は無いけれど観ている間はしっかりと楽しませてもらえます。逆にシンプルなストーリーだからこそ良かったのではとさえ思う。
時代劇や武士道の漢の世界が好きな方なら存分に楽しめると思います。
私も時代劇が大好きなのでしっかりと楽しませてもらいました。
お勧めです。

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スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ

製作年度:2007年/日本
監督:三池崇史

スキヤキっていうよりも闇鍋をドキドキしながら食した気分。
なんか、暗闇の中で珍しい食感の物食べたら食材は分からないけど意外と美味しかった~って。
肉食べたかったけど、これはこれでありだなぁ みたいな。

ふざけた演出、ありえない展開
でもガンアクションがめちゃくちゃカッコいい!

くさいセリフにベタな人情話
体ムズムズするけどつい夢中になっちゃったよ。

過剰な演出ともとれそうな突然の銀世界。
でも、これぞ日本の情景美。

ジャンゴって何?
え?!これだけがタイトルの意味なの??
……チーン
口からなんか出ましたよ。ありゃ魂だぁ…
でもそんなオチもデザートみたいに感じましたよ。

なんなんでしょう、この完全否定しにくい絶妙な味加減(笑)

私は西部劇もマカロニ・ウェスタンとかも全く馴染みがありませんので、こういったジャンル作品と比較してどうなのか?というのは全く分かりませんが西部劇初心者の私が結構楽しめたというのを参考にしていただけたらと思います。
あ、でもかなり血生臭いシーン満載なのでそういうのが苦手な人にはお勧めしません。
(頭を刀で真っ二つとか出てきますし、問答無用の射殺シーンはそれこそ映画の8割ってくらいあるので)

それにしてもカッコよかったなぁ桃井さん。
強い女には女も憧れます。

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西遊記

製作年度 2007年/日本
監督   澤田鎌作

西遊記の魅力って何でしょう?
個性的な登場人物。
難関をクリアしつつ、天竺を目指す冒険の面白さ。

私が初めて西遊記というものに触れたのは小学1年生の頃に親が買ってくれた世界名作シリーズ50冊セットの中の1冊にあったのを読んでから。
けして裕福ではなかった親にしてみれば、相当な負担の出費だったでしょう。今でも宝物です。
高学年向きだったその本はまだ習っていない漢字がたくさん出てきて読むのに一苦労でしたが、親や先生に教えてもらいながらのその面倒さも吹っ飛ぶほどの面白さでした。
そして、再放送された境正章版『西遊記』
まるで本の中から飛び出してきたかのように思い描いていた悟空が画面で生き生きと活躍していた。
私が慣れ親しんだ物語とは少々違っていたけれど、でもそんなの気にならないくらい面白かった。
何故なら、多少の脚色はあったとしても『西遊記』としての大切な物語の核やキャラクターの魅力が損なわれていなかったからです。

ところが、今作品はどうでしょう。
孫悟空は考えなしのバカなだけ。
天罰を恐れる三蔵法師
役に立たない悟浄と八戒
こんなキャラクターに魅力など感じることは無理です。

私はTV版は第1回目を見て、あまりの出来の悪さに2回目からは見ていません。そもそも、映画版など見る気も無かった。
以前上映中のトラブルがあった時に映画館で貰ったタダ券の有効期限が今日で切れる。
しかも、この映画館でやってる作品はもう殆ど見てしまった後で、見るものがこれしか無い。
何も見ないで捨てるのは勿体無いし、なら見ておこうかな。
という経緯での鑑賞。でなきゃ見ていない。
案の定、料金払って見る程の作品ではなかった。
2時間スペシャルのドラマレベル。

觔斗雲は雲だろ、なんだあの板っきれ。
『なまか』ってなんだ、バカにしてるのか?
いやいや、こんなことよりもストーリー展開、画の魅せ方、せっかくのCGなのに使い方がしょぼい。
水を奪われ砂漠になったと言いつつ、見事な川が流れている。
散々苦労して登った筈の、頂上は雪すら積もる山をいとも簡単に一日の間に何度も行き来したり出来ちゃう矛盾だらけの舞台設定。
宝玉を取りに行くのにわざわざ姫を使う理由も必然性も全く無い、いい加減なストーリー。
(だって、金角銀角が山に近づけないからってならわかるけど、銀角は山に自ら来ましたからねぇ。なら最初から自分で取りに来るでしょ普通。そういうとこは細かく設定すべきでしょ。
これじゃ世界征服のために幼稚園バス乗っ取っちゃうなんていう子供向け特撮ヒーロー番組と大差ないでしょうに。)
ギャグシーンは間が大切なのに、冗長すぎる前フリで不発に終わっている。
見せ場山場はメリハリをつけないと飽きるのに、
「この演出スゴイだろっ♪」
と監督の自己満足なんじゃと思われるくらいに、派手ってだけの演出を延々見せられダレてくる始末。
その上に殺陣の未熟さは興ざめ。
主役の悟空よりも悟浄の方がよっぽど身体が動いていた。
あんな身体重そうな悟空になど、全く魅力を感じない。棒術の爽快な戦闘シーンなど皆無。
挙句に最後の敵、金角との対決のあっけなさ過ぎる幕切れ。

一体、どんな観客を対象とした作品なのか?
TVドラマのファン向け、子供向け、はたまた慎吾ファン向け
そのどれをとってもあの出来のマズさは許されるものではない。

『TVドラマファン向け』
TVドラマだからこそ許されたバラエティ風な演出も、お金取って見せる映画でやったらダメ。
観客は2時間、拘束される。何かをしながら、息抜きしながらのながら見でしかも無料のTVドラマではない。
長時間座席に縛り付けられるからには、ある程度の完成度を要求される。
その点で言ってもTVドラマのファンこそ、
「ドラマが面白かったのだから映画はさぞかし」
なんて映画化に期待を持って映画館へ挑むだろう。それがアレでは…
TVドラマファンでない私はともかくとして、現にTVドラマファンである方々の反応は「駄作」「期待はずれ」「金返せ」
彼ら向けとしては失敗であろう。

『子供向け』
これは、概ね成功と思われる。
私が見に行った映画館では小学校低学年及び幼稚園くらいの幼児の笑い声が聞こえてきた。
但し、『概ね』と書いたのは小学校高学年になると、どうにも通用していないようだからだ。
私の隣のそのくらいの子供はつまらないのか、しきりにDSを持って席を立つわ
あくびをしてるわ、ラスト近くは寝ているわ…
後ろの席のやはり同年代くらいの子供3人組は終わった後に
「めちゃつまんねー」
なんて言いながら帰っていった。
子供向けとはいえ、『低年齢の』という前置きが必要。

『慎吾ファン向け』
これは主役であるし、成功とかなんとかでくくるのもおかしいが…
私的な意見を言わせてもらえば演技のマズさは出演者一際立っていた。
声を張るのと叫び声の区別がついていない。
一本調子の喋り方・・・つまりは棒読みセリフ。
加えてどんな場面、どんな心情でも同じ表情。
そして殺陣は鈍くさい。
色々な所でアクションの練習をサボっただのなんだの言っていたらしいが、ネタにするための冗談なんだと思っていた。
しかし実際映画を見たら、あながち嘘でも無かったのかと彼の演技に対するいい加減さに失望した。
引き受けたからには真剣に役作りに取り組んでほしい。
映画ファンな私から言わせてもらえば、アイドル映画だからと妥協した鑑賞はしたくないのだ。


低年齢の子供向け作品であり、大人の鑑賞に耐える作品でないのは確かです。

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ゾディアック

製作年度 2006年/アメリカ
監督    デヴィッド・フィンチャー

長い上映時間にも関わらず、退屈はしなかったんです。
ゾディアックに迫りつつある記者や刑事の得た情報や
時折見せられるゾディアックの片鱗。
ほほう へぇ~…
なんて思いながら鑑賞していたのですが、終わってから
「・・・・・・で?」
って感じだったんですよね。

何というか、TVでドキュメンタリーを見せられていたような感覚に似ています。
知らなかった事件の経緯を少しだけお芝居感覚で見せられただけ。
感動ではなくて、得られた知識になるほどと思うだけのような。

ゾディアックの存在への恐怖が描かれているわけではない。
ならば、彼へと執着する者たちの人間ドラマを見ようと思ってもキャラが立っていないので薄味過ぎて味がわからない。
「ゾディアックに関わり、人生を狂わされた4人の男たちの姿」
とのことだったけど…
狂わされるというほども狂わされていないような…
そりゃ文書偽造の嫌疑をかけられた刑事は大変だったろうけど、そのシーンが全く無かったから実感出来ないし、
家族を省みないで結局離婚した記者は家族の心が離れていく過程を描いてくれてないから、これもまた悲しみとか実感出来なかったし…
やっぱり、薄味だよなぁ…って。
あと、場面と音楽が噛み合ってないと思う所がちらほらありましたし。

ドキュメンタリーが好きでゾディアックのことを知りたいという知的好奇心を持って鑑賞するならどうぞとお勧めしますが、
サスペンスムービーを期待しているなら、DVD鑑賞をお勧めします。

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300<スリーハンドレット>

製作年度 2007年/アメリカ
監督    ザック・スナイダー

まず、この作品は歴史大作なのだという先入観を頭から追い出してください。
例えは悪いですが、「あばれん坊将軍」や「水戸黄門」みたいなもので
実在した人物の名前とちょっとした史実を取り上げて脚色したエンターテイメント作品なのだと思って見に行ってください。
そうすれば戦闘映像の迫力を存分に味わえるのではないかと思います。

スパルタ戦士は生れ落ちた瞬間から戦いへと身を投じる。
幼い頃から鍛え抜かれた肉体は甲冑を必要としない。
鉄の塊に我の何を守れようか?
鉄の塊なぞ我が動きを鈍らせる重き枷、己が心に甘えを起こす固き鎖。
この筋肉こそが我が甲冑!

ストーリーは単純明快です。細部の歴史や背景を綺麗さっぱり排除して闘いが起きた経緯をさらっとなぞる程度。
歴史を知らなくても全く困ることはありません。
視点はあくまで、スパルタ戦士たち。
彼らの姿、戦い方を大画面でアートのように見る映画です。

クイックモーション、スローモーションが効果的に使われていて
一瞬で何通りもの動作をするスパルタ戦士の俊敏さを見事に演出されていました。
鍛え抜かれた肉体が繰り出す動きに赤いマントがひるがえる。一瞬隠れる視界。そのマントがふわりと視界を開かせたと同時に敵を切り裂く。
親子でもある2人のスパルタ戦士の戦いのシーンは思わず溜息が出そうなほどでした。
四方八方から来る敵をお互いの死角を補いながら戦う。
上部から切りかかる敵を切る側に生じる下部の死角をもう一人が守る。
そして生じる背後の死角に前後の陣形を変えて敵を切る。
まるでダンスでも見ているようです。

とはいえ、少々気になるシーンも無いわけではありません。
「スパルタは女も強い」
ならば、王妃のあの行動は納得出来ない。あんな要求など突っぱねて議会に挑んでこそ「やはり女だといえどスパルタ!」と感嘆できたのに。

この作品を漫画のようだ、ゲームのようだという意見を見受けましたが、その通りだと思います。
というか、むしろその非現実感を前面に出すことによって
戦闘シーンを綺麗にかっこよく撮っているのだと割り切っているようにも見えます。
史実に基づいてはいるが、よく似た別物なんだと頭を切り替えて勧善懲悪のヒーロー物として楽しんでしまった者が勝ちという気がします。

といっても、史実がベースにある以上そういったのが気になってしまう人にはお勧め出来ませんので、この作品はあくまで娯楽映画と割り切れる方限定の作品であることは否定しません。

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女帝「エンペラー」

製作年度 2006年中国/香港
監督    フォン・シャオガン

この世で最も恐ろしい毒
それは『人の心』
作中に出てくる言葉です。その言葉が、この作品の全てを語っている。
恋仲であった皇太子と添えることなく、彼の父である皇帝と結婚し皇后となったワン。
自らの愛を押し殺し、愛する人の義母として生きる覚悟をしていた。
しかし、夫である皇帝は実の弟に殺され、その弟はワンを妻として欲した。
彼女は決意する。新皇帝の手から皇太子を守るため、そして夫の復讐のために妻となることを。
皇帝の寵愛を得るために、彼女は演じる。
私は欲深い女。あなたが私に与えてくれるものはとても甘美よ…
彼女に囁かれ、その類稀なる美貌と妖艶な微笑みに皇帝は心酔する。
自分の力を誇示するために必要であった前皇帝の妻。
だが、いつしか皇帝は彼女の手の平で踊りだす。彼女を愛し始めていく。
そして、変わっていく皇帝に彼女の心は変わり始める。
復讐の筈だった。しかし、皇帝さえも意のままに出来ると確信を深めた彼女は復讐そのものよりも権力の魅力へと取りつかれ始める。
その権力で嘗て愛した皇太子をも手に入れたいと願い始めてしまったのだろうか…
人の心 それは何よりも強い毒性を持ち、使い方次第で破滅へと誘っていく。

とは書いてみたものの、上記は映画を見終わった後に色々と考えを巡らせた末に自己流の補完でもって感じた印象です。
登場人物の心の動き、変化は少々感じ取りにくい作品だったのです。
その行動へ移る為の動機、心理描写等が希薄なために観客は納得出来ないまま、強引に次の場面へとつれていかれるといった具合。

ですが、インテリアの細部にまで拘ったセットの作りや美しい衣装。
まるで舞踊を見るような戦闘シーンの殺陣や派手なワイヤーアクションは迫力満点でした。
少々ワイヤーアクションを多用し過ぎてありえない画になっている場面が気にはなるものの、慣れてしまえば許容範囲。

そして何より、チャン・ツィイーの美しさ!
傾国の美女といった風情の妖艶さが見事に全身から滲み出ていました。
彼女のファンならば、彼女を見るためだけでも映画館に足を運ぶ価値はあるのではないでしょうか。

ストーリーの練りこみは少々難がありますが、それなりに楽しめる作品でした。

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サンシャイン2057

製作年度 2007年アメリカ
監督    ダニー・ボイル

CGや宇宙船内部の作り、システムなどは視覚的な楽しさがあるので飽きません。それでも、過去の素晴らしいデザインやアイデア満載の宇宙船達に勝てる程の出来ではないです。
そして内容はというと、どこに注目すれば良いのか解らないストーリー展開です。
SFアドベンチャーを狙いたかったのか?
パニック物を狙いたかったのか?
ホラーを狙いたかったのか?
はたまた地球を汚染し続ける人類へ警告を発するエコロジー的な問題提起をしたかったのか?
おそらく、全ての要素を含んだ贅沢感を出したかったのだろうけれど、ごった煮なだけで全く調和していません。
全ての要素が中途半端なので全体を通して酷く薄っぺらい。
いずれにしても主役をしっかりと定め、観客が同化しえる人物はきちんと用意すべきです。
『登場人物全てに見せ場を』
その姿勢は大切ですが、あれでは画面の中でドタバタと動き回っている他人を覗いてるだけで共感出来ません。
共感出来なければ、当然感動も出来ません。
残念ながら、映画館へ足を運ぶ程の内容ではなかったというのが正直な感想です。
太陽へ向かうというネタと宇宙船内部の酸素製造菜園の癒し映像に対してだけ星プラス1しておきます。

そうそう、エンドクレジットはダイジェスト映像を流すだけですので見なくても大丈夫ですよ。

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死霊の盆踊り

製作年度 1965年アメリカ
監督    A・C・スティーブン
脚本    エドワード・D・ウッド・Jr

ヤフーでお気に入りレビュアーの方々の揃いも揃ってダメレッテル貼られているこの作品に興味がわいてレンタルしてきました。
ダメレッテル貼ってるのに、皆さんのレビューは何故か楽しそうだったので。

いやもう…ね。
ここまでストーリー性も見所もメッセージ性も無い作品は初めてです。
これが映画として上映されていた事実があることもスゴイ。
墓場でないと小説書けないとか言いつつ、彼女を墓場へドライブに連れ出す彼氏。
私だったら彼氏がこんなこと言い出したら
「だったら書かなくて良いよ。とっとと引き返してくんない?」
とか言いそうなものだが、彼女は文句言いつつも従っている。
心広いなぁ… つか、起承転結の起としてえらくご都合主義ですね。
いやいやこのシーン、ご都合主義とか以前に
『昼なんだか夜なんだかわからない。でも、会話から察するに夜。』
といういい加減な画が気になる。
カップルのアップは夜で車全体を映したひきの映像は真昼間。
特典映像の監督インタビューで焼きのミスとわかります。
てか、だったら直そうよ!…よっぽどお金無かったんだね(涙)

そして唐突に事故って彷徨ううちに死霊の宴とやらを発見。
作品はホラーという位置づけらしいが、魔王も女王も全然怖くない。
そしてタイトルよろしく女の死霊がひとりひとり出てきては踊る。
色んな衣装の死霊が出てくるけれど、何故かすぐに素っ裸になって踊る。死霊なのに軽快な音楽と共に踊る。
ダンスが見所なのかと思ってたが、皆似たようなダンスで、しかも下手。魅力も無し。視覚で楽しもうと思っても絶対無理。
とにかく、おっぱいを揺らすことが目的らしい。小ぶりなのから巨乳まで様々な魅力のおっぱいが揺れる。
もうね、「死霊のボイン踊り」でイイじゃん?

朝日浴びると骨になるらしいのに、魔王様はボインに夢中でうっかり朝になるまでダンス見ちゃいます。
魔王も女王も朝になって骨になっちゃったのでカップルは助かりました。めでたしめでたし。
・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・え?オチはこれ?ええぇぇぇぇぇぇぇっっっ?!

…ある意味貴重な体験でした。この映画を見たことは。
私の中では『立喰師列伝』が最低でしたが、これを見た後ではあの作品は少なくとも笑うという感情が一部分でもあったぶんまだマシだったなぁなんて思える程。
けど、不思議と腹は立たないですね。
レビュアーさんたちのレビュー見ててダメ度に耐性が出来ていたことと、バカバカし過ぎて怒る気力も削がれたというか。

まぁ、この映画を見たことによって今後の映画鑑賞にはプラスになるかなとは思います。どんなダメ映画見ても
「死霊の盆踊りにくらべりゃ良い映画だなぁ」
という寛容さを示せるのではないかなと。

そんなわけで、『許しのスキル』を手に入れることが出来ましたので、この映画から許すことにします。

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戦国自衛隊1549

製作年度 2005年日本
監督    手塚昌明

『戦国自衛隊』は旧作が大好きだったので、全く新しい形のストーリーで、尚且つ本物の自衛隊が撮影協力しているとかでかなり楽しみにしていたのです。
当時、映画館で迫力の映像を堪能しようといそいそと出かけました。
しかし・・・

ネタとしては面白いし、SFってのは荒唐無稽でなんぼと思ってるのでリアリティーを追及する気はありません。
でも、人物の描き込みはしっかりしてほしかったなぁ。
誰も彼もが行動に付随すべき理由付けが薄っぺらくて共感出来る人物が1人も居ない。これって致命的だと思う。
原作を知らないので勝手なこと書きますけど、こうだったら良かったのに的私の意見(妄想を多分に含みますがご容赦ください)

1.的場が未来を変えたいと思うほどの彼の未来での失望感をもう少し深く描いてくれてたら彼の行動に深みが出たのに。

2.折角タイムリミットという緊張感を煽る小道具あるのにのんびりし過ぎな感じが見ていてダレる。
ロメオ隊からひとりくらい敵前逃亡する程の彼らの不安とプレッシャーを描いてほしかった。

3.信長を殺したとかでなく、歴史を変えるかもしれない人物である信長と手を組んで現代の最新武器と過去の武士の肉体を駆使した技との融合した強大な信長軍VSロメオ隊な構図の方が面白かったかも。
もちろん、一番の売りのはずの戦闘シーンをここぞとばかりに詰め込んでほしい。

4.いっそ的場が殺してしまったのは信長でなくて明智光秀だった!とか。
それでもって救出に来たロメオ隊が『歴史の修復力』によって明智光秀のするべきであった『信長殺し』をすることになる!
とかだったらストーリーにおいての彼らの存在感が大きくなったのに。
(まぁ、それだとタイトルを『戦国自衛隊1549』ではなくて『戦国自衛隊1582』にしないといけなくなりますが。でもそのくらいの時代の方が信長が自由に天下を目指している時期なので丁度良いんでないかい?)

5.っていうか、一番の見せ所である迫力の戦闘シーン、爆破シーンをCMで全部見せてしまっていたのは軽~く詐欺に遭った気分になりました。
だって、CMであれだけ迫力あるなら本編はもっと!って思うじゃないですか。あれで全てだとは普通思わないじゃないですか。

戦場も戦闘もこじんまりと小さく纏まり過ぎてて前評判ほどスケールは大きくなかったし迫力不足だったという感じですね。
戦国自衛隊のウリであった最新兵器とアナログ兵器の互角な戦いは殆ど描かれていない。正直言ってかなり不満が残りました。
駄作とは言わないけれども後には何も印象に残らない薄っぺらい映画というのが本音の感想です。

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主人公は僕だった

製作年度 2006年アメリカ
監督    マーク・フォースター

私はこういうの大好きです。
大画面で見るほどの画の迫力があるわけではないし、
バベル等のように隠されたテーマを深く追求するような知的好奇心を刺激するでもない。
けれど、自分と同じように普通の日常を送る主人公に突如訪れた運命を揺るがす大事件。
頭に聞こえる自分自身の物語を語る声。
毎朝、決められた回数歯を磨き、ネクタイを同じシングルで結ぶ。
同じ時刻のバスに乗り、始業と共に仕事を始め、定時に退社し、同じ時刻に夕食を摂って同じ時刻に眠る。
判で押したような何の変化も無い日常。
楽しくはないが、安定した生活。
不満はあるが、特にこれといって文句はない。
だが、物語を語る声は自分の死を仄めかす。死という絶望が滑り込む。
充実した人生というわけではないが、死にたくなんかない。
何とかしようと自分の物語を書いているであろう作家を探して奔走する。
でも、自分は何故死にたくないのだ?
只死にたくないだけだった彼が死にたくないという心の中に確固たる理由を見つけ出す。
恋をして、忘れていた夢を思い出し、自分の生き方を見つけ出す。
この辺りの彼の心理を代弁してくれる教授の存在も実に絶妙。
重くなりがちの死というキーワードもちょっとしたユーモアで包み、
でも軽くなり過ぎないように演出されていました。


作家は、悲劇専門だった。主人公は全員死んでしまう、それが彼女の作風だ。
彼女は貪欲なまでに主人公の死に方に拘った。
生き方ではなく、死に方に。
それは、ある意味彼女自身の願望だったのではないだろうか。
本当は死にたいのは彼女自身であり、彼女の書く主人公はその身代わりだったのかもしれない。
「私は今まで何人殺してきたの?」
「自分が死ぬことを知っている人間を死なせるわけにはいかないわ」
悲劇ではなく、ハッピーエンドを書き終えた時、彼女もまた生への希望と執着を取り戻せたのだと感じました。
そしてそれは自分の人生という物語を紡ぐ私たち自身へのメッセージ。
生きるも死ぬもあなた次第。主人公はあなたであり、そして作家でもある。

人間はいずれ死ぬ。だが、死ぬ時期はわからない。
明日かもしれないし、50年後かもしれない。
自分の死期を知らないからこそ、夢と希望を持つことが出来る。
知らないからこそ、諦めない心を持つことが出来る。
死ぬ時期を決めてはいけない。
死ぬのだからとペンを置いてはいけない。
悔いのない喜劇を一生をかけて作り上げていきましょう。

私にはじんわりと心に染み入る作品でした。

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三十九夜

製作年度 1935年イギリス
監督    アルフレッド・ヒッチコック

会社帰りにホームセンターへ広告の品特売ティッシュペーパーを買いに行ったら、ティッシュペーパーの棚の脇に何故かワンコインDVD棚が。
あれ?こんなのあったっけ?とDVDを色々物色していたら
『アルフレッド・ヒッチコック』の文字。
彼の作品は『鳥』くらいしか見たことはないのですが、その『鳥』を子供の頃にTVで見て怖かったことは憶えています。

ふむ、最近は映画館のゲリラ鑑賞はしていないから、ここは一つゲリラ購入をしよう。
ヒッチコックの作品ばかり並んでいる辺りを目を閉じて右手を伸ばしました。暗闇の中、「どっれにしようかな~」と手探り。
そして手に取ったこの作品。

軽い気持ちの購入だったのに、物凄くアタリを引いたと喜んでます。
スピーディーな展開の中にハラハラドキドキの息もつかせぬ緊張感。
そのくせユーモアも随所に散りばめられていて、その笑いと緊張の絶妙なバランスに大満足です。

もちろん、色々とツッコミたい部分はあるにはあります。
起承転結の起の部分の女スパイと主人公の出会いは酷く強引ですし、
結の事件解決部分はそれまでのハラハラとはうって変わって軽過ぎるほどあっさり終わります。
ですが、作中の主人公の逃亡劇はそんなの吹っ飛ぶくらいにとても面白いのです。

良い作品というのは70年経っても色褪せずに面白いものなのですね。
彼の他の作品も見てみようかな。

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